1. “運用の調整”が成果を左右する

手続きのシステム化は、条例・規則や現場の運用、利用者対応などが絡み合う「業務そのもの」を再構築する作業です。 これまでの運用は、限られた人員・時間の中で業務を成立させるために工夫を重ねてこられた結果であり、まずその前提を大切にした上で、手続きのシステム化を進めていくことが重要だと考えています。

2. 作り込みすぎない:できることより、運用できること

GovTech Expressはノーコードで柔軟に構築できるため、業務の細かな条件にも対応しやすい一方で、「できるからこそ作り込みすぎてしまう」ことで、将来的な運用負荷が増えてしまう場合があります。

例えば、現状の運用フローをすべてそのままシステムに落とし込もうとすると、設定(フローや条件分岐)が増え、保守・改修・トラブル時の切り分けが難しくなりがちです。

3. 異動と引き継ぎを前提に、シンプルに設計する

特に自治体様では、システム管理者が数年で異動することが前提となります。

次の担当者が円滑に引き継げるようにするためには、複雑な仕組みを「属人的な理解」に依存させず、できるだけシンプルな構成で、誰が見ても判断できる状態にしておくことが大切です。

これは、担当者の負担を軽くし、住民サービスを安定して継続するための“将来への備え”でもあります。

4. 要件は整理してから作る:段階導入が近道

現在の運用を尊重しつつも、GovTech Expressを機に「本当に必要な要件」と「見直しても支障が少ない要件」を整理し、無理なく回る運用に再設計することを推奨しています。

最初から完璧を目指すのではなく、小さく始め、運用しながら改善し、横展開できる形に整えていく進め方が結果的に近道になります。

5. 要件見直しのポイント:ルールの「目的」に立ち返る

既存のルールは、単なる制約ではなく、過去の経緯や現場の課題に対応するために積み重ねられてきたものです。手続きのシステム化にあたっては、ルールをそのまま再現することだけを目指すのではなく、「このルールは何のためにあるのか(目的)」に立ち返って整理することが重要です。

目的が明確になると、同じ目的をよりシンプルな形で実現できる場合があります。これは現行運用を否定するものではなく、運用負荷を下げ、将来の引き継ぎをしやすくするための見直しです。

5-1. 例:制限の目的から考える

たとえば「1団体あたり、週に○回までしか予約できない」というルールがある場合、背景には「特定の団体に予約が偏らないようにし、すべての団体が公平に施設を利用できるようにする」という目的があることが多いです。

この目的を達成することが優先であれば、必ずしも「週」という単位にこだわる必要はありません。運用実態や予約の集中状況によっては、たとえば次のように見直しても、目的を損なわずに運用負荷を下げられる可能性があります。

5-2. 目的に立ち返ったうえでの「整理のしかた」